こんにちは海豚です🐖🏖。
今回で「船乗りのなり方」編は最終章😉
過去の情報も合わせて、今の自分に一番合っている船乗りのなり方を選択して、立派な船乗りになるための一歩を踏み出していきましょう🛳
今回は内外航船編ということで、内航船の大手や国内フェリー会社には比較的簡単に入れて、外航船も努力次第で全然現実的である、「商船高専」について大きく紹介していきます。その他の学校も順次紹介させていただきます!(おまけ「海技士の取れるその他の学校」も紹介するので最後まで見てね)。
商船高等専門学校
通称「商船高専」であり、名前の通り商船学科を置く、高等専門学校です。
つまり、高校生の年代から専門教育を受ける事ができ、5年制(+6ヶ月の乗船実習科)で卒業後、準学士と3級海技士(航海・機関どちらか)を取得する事ができます。
学校は以下の通り5校あります。⬇︎
大島商船高等専門学校(山口県)広島商船高等専門学校弓削商船高等専門学校(愛媛県)鳥羽商船高等専門学校(三重県)富山高等専門学校
wikiぺディアより。
偏差値は学校によりますが、50〜55ほどになっております。
全ての学校で専攻科が設置されており、進学することにより学士を取得することもできます。
さらに、前回の「船乗りのなり方(外航船編)」で紹介した「東京海洋大学」、「神戸大学」への編入も可能であり、編入する生徒もほとんど毎年いるそうです。
ここで商船高専のメリットを紹介していきます。
① 選択肢が広い
5年制でそのまま卒業しても、1級海技士を取得していれば外航船を目指すこともできますし、専攻科や編入により、より可能性が広がる。内航海運会社はどこでも目指せる。
② 比較的専門知識を養う環境が整っている
中学卒業後から船の勉強をすることができ、教官のレベルも高い。大学から勉強するよりは時間的に有利であり、1級海技士の勉強の機会も多い。編入制度や専攻科を利用して、研究に専念することもできる。
③ 船乗り人口が多い、優秀な出身者が多い
いざ船乗りになった場合、学校の先輩がいる可能性が高い。学校による差はあるが、卒業生同士の仲間意識や繋がりが強いことが多い。優秀な船乗りが多い。
特に、今の60代以上で鳥羽商船出身の方は成績優秀者が多かったみたいです(入学の難易度もかなり高い)。高専専門学校になってからは、優秀な外航船員を養成するために設置された学校であるため、商船大学に負けずとも劣らずという、ライバル関係であったとも言えるみたいです。
続いてはデメリットです
① 全寮制。更に5年制なので、先輩がたくさん、、、。
もともと縦社会の船乗り、先輩が厳しかったり、パシリにされたりと特に1年生は大変みたいです。
というのは、昔の話。今は監視の目も厳しく、パシリやイジメはもってのほか。
万が一いじめがあればすぐに教官に報告してくださいね!。
しかし、縦社会であるのは間違いなく、後輩としての節度や礼儀正しさは求められます。大変なのは間違いないでしょうね。
まぁ、船の学校はどこでも同じ事がいえますが笑
② 学校の場所が僻地である。
学業に専念するにはある意味メリットかもしれません😂。
中でも大島、弓削、広島商船高専は瀬戸内海の島にあるため、不便な点は多いでしょう。
・その他注意点
ひと昔前までは商船高専は優秀な人が多いため、外航船の会社とのパイプが強く、就職に有利な事がありましたが、現在は過去の話となっており、やはり大学と比べると就職面には劣ります。
商船高専もレベルが落ちたという声が現場からチラホラ聞きますが、これは逆にチャンスです、学生時代努力して1級海技士の取得を目指して頑張りましょう。そうして頭ひとつ抜ければ「やっぱり高専生は優秀だなぁ」という声が聞こえて来るでしょうね!
商船高専は近年、商船学科だけでなく、工学系や情報系など商船に関係ない学科も置かれるようになりました。富山に関しては経済学科もあります(学校名も富山高等専門学校と商船が唯一入ってない)。
中学生の方で船乗りを目指す方へ、迷ったら商船高専をおすすめします!。
水産大学校
こちらは4年生大学となり海技士を取得できる学科はこちら⬇︎
海洋生産管理学科→3級海技士(航海)
海洋機械工学科→3級海技士(機関)
最初の3年間は専門科目の座学や実習ですが、4年生からは約1年間の遠洋航海実習となります。
偏差値は50〜53ほどとなっています。
こちらは水産関係の大学となりますので、漁業実習があるの点が今まで紹介した商船系の学校との違いですね。
就職先は、水産庁や各県の漁協、遠洋漁業船や魚市場など漁業関係が大多数です。
しかし、商船大手3社や、外航船などの就職実績もあり、船乗りを目指すために入学するのもアリと言えるでしょう。
しかし、船乗りを目指せる大学であれば前回の紹介の「海洋大、神戸大」の方が、勉強内容や就職も有利な点が多いので、あえて入る必要は無いのではと私は考えます。
遠洋漁業船や水産庁の船に乗るのであれば、漁業の知識が得られるこちらの学校が間違いなくおすすめとなっております。
しかし、水産系とはいえ、外航船の船員募集に「大卒」とある場合も多いので、外航船を目指す場合、海上技術学校や短期大学校よりは確実に良いと言えます(3級も取得できますしね😅)。
東海大学
こちらは航海工学科(偏差値50〜52)で4年制+半年の乗船実習を経て3級海技士の口述試験を受ける事ができます。
海技士が取得できるのは航海工学科の3級海技士(航海)のみで、機関の免状を取れる学科が無いので注意してください。
またキャンパスは静岡県になりますのでご注意ください。
東海大学は学士も得られ、3級海技士も取得できるため、一見良いのですが。
4年間の学費は東海大学が約600万円なのに対し、東京海洋大学は約240万円と半額以下になっており、かかるお金が全然違うのですよね。
また、東海大学出身者の船乗りの数がかなり少ないという点が弱点となってしまう場合があります。
やはり、この業界、就職の際に横のつながり(仲間意識)を重視とまではいきませんが、意識される事が多いです。
(そもそも、就職は海洋大の方が良いですけど。)
また、仕事の際も先輩が同じ学校出身だと可愛がられる事が多いのですね。
それらの理由から難易度も大きく変わらない「東京海洋大学」を目指す方が、コスパはかなり良いと思われます。
おまけ
その他海技士の取れる学校を紹介していきたいと思います😌。
水産学校 専攻科
水産高校から専攻科に進学すれば多くの場合、3級海技士の筆記試験免除や専門士の称号が得られます。
こちらは学校によって専攻科が置いてなかったり、3級の筆記試験は自力で取得する必要が発生する場合があるので、入学を決める際は水産学校のホームページをしっかり確認する必要がありますね。
専攻科に行けば、内航船の海運会社への就職は安定しています。外航船となると努力と運が必要になってきます。
海上保安学校 大学校
海上保安学校では修了時、5級海技士の口述試験を受けられます。また、カリキュラムとして4級海技士の筆記試験を受験しますが、落ちたとしても現場に配属されます。現場では3等海上保安士の階級が与えられます(下っ端ですね)。
海上保安大学校では、4年の本科修了後、専攻科として、半年の乗船実習を経て3級海技士(航海・機関どちらか)の口述試験を受験できます。また、学士も得られる他、修了後は3等海上保安正として現場に配属されます(警察でいう警部補)。
大きな注意点は海技士は取得できますが、こちらの学校は入った瞬間から「海上保安官」となるので、船乗りにはなれません!笑。
最後は少し脱線しましたが、これで全3編の「船乗りのなり方」は終了です。
見てくれた皆様本当にありがとうございます。
これからも船の情報をガンガン発信しますので今後ともよろしくお願いします。
それでは皆様良い航海を⚓️
※偏差値は年によって変わるので、受験の際は最新の情報を取得していただくようお願いします。
なお、本シリーズ(船乗りのなり方編)は私の実体験や、仕事上の知り合いからの話を記載している部分もあるので、例外もあります。あくまで参考程度ということでよろしくお願いします。
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